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【レビュー】ソロキャンプ用の包丁に世界のシマノ(シース小出刃)が最適そうな話

最初に言うけれども、車だったら何の憂いもない。

いっとき車で行くファミリーキャンプに取り憑かれていたが、その場合、その気になれば出刃、刺身、牛刀、ペティなどをセットで持っていくことも容易だ。今回は、「バイク(または自転車)でコンパクトなソロキャンプをする場合、1本かせいぜい2本ぐらいのナイフまたは包丁に何を選ぼうか」という話だ。

すぐに思い浮かぶのが、スウェーデン製のモーラナイフだ。中でも刃渡り10センチ強のコンパニオン、または刃渡りは少し短いが刃体の幅が広いロバストか、となる。鋼材はステンレス鋼一択だろう。どんなに気を遣っても、バッグの中でずぶ濡れのテントなんかと一緒にされれば、鋼(炭素鋼)はひとたまりもない。幸い、両方のシリーズにステンレス製のものはある。しかも値段が安い。

が、あまのじゃくのakanamekoとしてはちょっとひねりたくなる。

ところで、包丁が欲しくなったきっかけは淡路島ソロキャンツーだ。一人飲みディナーに登場するのは、淡路島だとやはり魚介類。その時は買い出しが遅かったこともあり、アテはスーパーに売れ残っていた茹でダコだの丸干しイワシだの、ありきたりのものだった。その程度であれば、秘蔵の「かじや小町」でもタコの足を切り離す程度はできた。「かじや小町」とは、京の錦市場に店を構える「有次」のミニ包丁である。ステンレス製で、革ケースが付いているペティナイフだ。

f:id:akanameko:20210326203904j:imageこの包丁は名作だと思う。だが、所詮刃渡り5センチだ。もし道の駅なんかにこの包丁では役不足な素敵な海産物が売っていたらどうだろう。そう考えると、「なんとかせねば」という気になってくる。

で、見つけ出したのが自転車パーツのトップメーカー、シマノのシース小出刃だ。シマノは自転車にとどまらず、釣具でも有力メーカーだ。釣り師のニーズに応えられる商品群をラインアップしている。

f:id:akanameko:20210326210800j:image価格も3000円以下だ。

f:id:akanameko:20210326211650j:imageリアルに並べると、この違い。笑ってしまうぐらいの差だ。

f:id:akanameko:20210326211748j:imageただし、出刃カテゴリーで比べると、出刃包丁のほぼ最小サイズであるアジ切り包丁と比較してもこんなものだ。小さい。それでも、シース小出刃の刃の厚みは3ミリ。これは、いざというとき、小魚をさばく小出刃として使えるだけでなく、ただの包丁としてクッキングに使えるのではないか? だいいち、このシース小出刃は、両刃である。

f:id:akanameko:20210326212251j:imageところで、写真は、これまでキャンプに持って行った実績がある包丁類だ。上から16センチペティ、先ほど説明したアジ切り12センチ、ペティナイフ12.5センチとの比較だ。アジ切り以外はステンレスだ。

柄の長さまで考えると、シース小出刃は携行性ではペティナイフと同格だ。

f:id:akanameko:20210326212549j:imageが、こいつには極めてしっかりした樹脂製シースが付属するアドバンテージがある。この樹脂製シースは、柄についたくぼみに突起が合体し、簡単に外れたりしそうにない。切れ味としてはペティの方が上だと思うが、本品もなかなかだ。ソロキャンプでこいつを何に使うかと妄想すると、

→道の駅でいい魚が安く売っていたのでさばきたい

→あとは、ちょっとしたクッキング

…と言った感じだろう。

f:id:akanameko:20210326212804j:imageテレビ通販でありがちな場面だが、全く問題ない。改めての研ぎなど必要ないようだ。試しに刃先をクローズアップすると、

f:id:akanameko:20210326212903j:imageこういう感じで、しっかり切れそうだ。ただ、比較のため同じくらいの倍率でカッターナイフの刃を確認すると、

f:id:akanameko:20210326213111j:image一見、鋭さに変わりはないように見える。が、よく見てみると、カッターの刃は、刃先の端の端に、もう一皮むけた切れ味エリアがあることが分かる。

とはいえ、これは出刃であり、なんなら小魚の腹を割る必要もある。カッターナイフのレベルまで刃を細くすると問題も出そうだ。

ネット上のレビューで切れ味について云々する人もいるが、それは好きなように研げばいいだけの話。

十分合格と言えそうだ。ただ、だ。

f:id:akanameko:20210326224200j:imageシマノは刃物のまち、大阪府堺市に本社があるから、てっきり堺の刃物工場に外注している日本製かと思っていた。そこだけ少し残念だ。まぁ、シマノの自転車パーツだって大半は中国製なのに、2000数百円の製品で無茶を言ってはいけないのか。納入元の堺の刃物工場が中国に工場を持っている可能性もある。

f:id:akanameko:20210328184258j:image実際に使ってみても、まさに小出刃だ。両刃なので、刃の裏表をあまり気にせずゼイゴもスイスイ。

f:id:akanameko:20210328184402j:imageあっという間に、気の弱いアジだと卒倒する情景に。この程度の作業ならペティナイフでもできるが、もう一回り大きなお魚だとこいつの得意分野だろう。そういうわけで、しばらくは喜んでソロキャンツーのお供に持っていきそうな予感がする。